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c0035116_12481632.jpg 会社の横にある公園。ぼぉーっと、ここで会社の人たちとランチしたり、花見したり、思い出いっぱいの公園。

 たまには真面目な?話も
(最近、小さなことはツイッターで消化してしまってるし...)

 大学を卒業してからも、生とは何か、歴史とは何か云々と考えることがあります。そういうことを考えることがやっぱり好き。ここ半年間考え続けていること、「人の生に、濃度というものがあるのではないか」について触れてみたいと思います。

 「声に出して読んでみたい日本語」で有名な斎藤 孝氏や、「思考の整理学」で有名な外山滋比古氏は、いくらか懐古主義的なきらいはあるが、旧制高校で学ぶかつての生徒たちの卓越した手記や考え方を紹介している。旧制高校で学ぶ生徒たちの手記は、たしかに目を見張るものがあり、その成熟した思考には驚愕を覚えざるを得ない。

 ならば、なぜ10代の彼らはそれほどまでに成熟していたのか。

 そこにここ半年間の悩み(考え事)のタネがあります。

 10代の彼らが成熟していた(として)理由について、3つの仮説を立てていました。
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1.切迫した「死」(戦争等)が、彼らに「生きること」について思考を集中させるに至った
2.人の生の濃度には、有る程度の限界が存在する
3.教育の問題
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1.切迫した「死」が、彼らに「生きること」について思考を集中させるに至った。
 旧制高校は、主に1890年代半ばから1950年まで存続した制度です。戦争が身近にあった時代、現代より身近にある「死」という存在が、彼らに「生きるとはなにか」を真剣に考えさせる契機となり、彼らを成熟させるに至った。

(この仮説。「生きるとはなにか」ということに思考を集中させただけであれば、他の部分においては現代の10代とほぼ同じ幼さを内包していることになってしまう。つまり、「生きるとはなにか」という思考が、人の在り方そのものを成熟させることを前提にしている)

2.人の生の濃度には、有る程度の限界が存在する
 そこで考えたことが、「人の生の濃度には、有る程度の限界が存在するのではないか」ということ。我々は、事故などがない限り、80~100年程度の時を持っていると考えている。そのなかで10代は、まだ人生において1/8程度生きたに過ぎない。

 人生において成熟の限界があるのであれば、1/8生きたときに成長すべき基準と、1/6程度生きたときに成長すべき基準が存在すると考えられる。旧制高校が存在した時代は、平均寿命が短い。そのため、現在30代において持っているべきと考えられる成長度合いが、彼ら(旧制高校)の時代10代で持っているべき成長度合いなのではないかと考えたわけです。

 その仮定に基づくと、我々は寿命が延びたと言いながら「希釈化された生を享受」していることになるわけです(善悪の問題ではなく)。

 これは驚くべきことだけれども、この仮定には穴があります。人の生の濃度には有る程度の限界が存在するのであれば、古代ギリシャの文化的成熟には納得がいくが、中世ヨーロッパの在り方の説明がつかない。中世ヨーロッパは、1300年以降のペストや気象環境の変化によって、人口が大量に減少した時代です。(フランスでは人口の約1/3がペストによって病死。このため農業人口が激減して領主の直営経営が困難となり、貨幣地代の普及を促進している)

 この切迫する死と、短い生が人を成熟させるというのであれば、この中世ヨーロッパこそ文化的(哲学的)繁栄があると考えられるわけですが、実際は暗黒の中世といわれるように、文化的発展はほとんどみられません。(まぁ、あまりに死が近くにありすぎたために思考よりも恐怖が上回り、人びとを哲学的思考から魔女狩りなどの迷信的世界へと追い込んだと言い訳することもできますが...)

3.教育
 そこで苦し紛れに考えたのが、旧制高校の青年たちの成熟は教育による成果だと。(全っ然納得いかないけど)。特に旧制高校は、超優等生ばかりを集めた青年集団であったため特別に成熟していたのだと考えることができます。(だからといって、東大に入ったばかりの現代の子たちが、カラマーゾフの兄弟を読んであそこまで考察出来るんか、って疑ってしまうところではありますが)。

うむむ。
納得いかず、色々考えて半年。
全然答えが出てこず、とりあえずセーブポイントとして(?)ブログに記してみました。

なぜ彼らがあれほどまでに卓越した思考力を持っていたのか、
やっぱり気になる。

参照:
齋藤 孝 「なぜ日本人は学ばなくなったのか」  講談社、2008年。
外山滋比古 「思考の整理学」 筑摩書房、1986年。
全国歴史教育研究協議会 「世界史B用語集」  山川出版社、2004年。
エルンスト・H・ゴンブリッチ 「若い読者のための世界史」 中央公論美術出版、2004年。
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by sizukugaotisou | 2014-07-22 13:48 | 日     々

Name. はるナ


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